公務員という安定を捨てて、昼はデイトレード、夜はボクシングジムの生活。
どちらも自分の可能性を信じて取り組むことにしましたが、、、
公務員を辞めてまず思ったのは、「自由だ・・・」ということ。
組織に縛られない生活。
貯金もあるし、好きな事に取り組める。
とても気分が良かったのを覚えています。
しかしそれも長くは続きませんでした。
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まず、デイトレード。
「ルールを守れば利益が積み上げられる」と書籍やネットで散々読んだのに、ルールを守れませんでした。欲に負けました。
今考えると、トレードルールに裁量の余地が多かったように思います。
初心者なのに裁量の余地が大きいと、本能に流されてまず負けます。
そんな状態だったので、やればやるほど負けて行きました。
結果、半年でー350万。
取引口座に入れた資金がほぼ0になり、強制退場になりました。
難しすぎる。
精神的に受けたダメージも大きかったですね。
この時は負け続けた原因がわからず、専業トレーダーはあきらめざるを得ませんでした。
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つぎにボクシング。
このとき始めてから10年目で、途中5年くらいのブランクはありましたが、プロテストに受かる自信は有りました。
なぜなら、プロ数人とスパーリングをこなして手応えを感じていましたし、ジムの会長からもGOサインが出ていたからです。
公務員退職後は週6で2~3時間の練習を積み上げました。
(公務員時代は勤務時間上、週2ペース)
加えて朝は、新聞配達のバイトをして足腰を鍛えました。
気の合う先輩がいて、応援してくれたのが嬉しかったですね。
プロテスト当日。
場所はボクシングの聖地、後楽園ホールで行われました。
簡単な筆記試験(パンチの種類やルールなど)の後、体重を計ってテストの相手を決めていきます。
私の相手は背が高く、体も恐ろしく引き締まっていました。
「え?? 本当に同じくらいの体重?」と思いました。
不安しか感じません。
プロテストは3分2ラウンドです。
1ラウンド目
初挑戦という緊張に加えて相手が大きいこともあり、体が思うように動きません。
しかも予想以上に相手のパンチが早くて強い。
そのうち相手のワンツーをもらって、鼻から出血。呼吸がしにくい。
足を使ってロープを背負わないようにするのが精一杯でした。
2ラウンド目
少し緊張が取れて、動けるようになってきました。
相手のワンツーのタイミングもわかるようになってきたので、
ヘッドスリップでかわす→ワンツー左ボディくらいまでは出せるようになりました。
(普段はそこから右スイング→左フックと繋がるのですが、このときは身体がついてこず)
2分経過したころ、レフェリーから突然「ストップ!」の声。
鼻血がすごかったので、そこでドクターストップがかかってしまいました。
「ああ、終わった・・・」
次の瞬間、意識がボーッとしてきました。しかも真っ直ぐ歩けません。
「うそでしょ? こんなにダメージ受けてたの?」という感覚。
時計をみると残り50秒くらいだったこともあり、悔しいし悲しかった。
テストの後、おそるおそる鼻を触ってみると見事にくの字に折れていました。
確かに相手のストレートは鉄アレイで殴られたような衝撃でしたが、まさか折れているとは。
「あんな強い人がプロにはゴロゴロいるのか・・・」
自信が砕けました。
井の中の蛙大海を知らず、ですね。
気持ちとしては、悔しさ半分、あきらめ半分という感じでしたね。
その後、数ヶ月ジムに通ってみましたが結局あきらめました。
こうしてデイトレードもボクシングも失敗に終わりました。
二兎追うものは一兎も得ず、ですね。
これからどうしよう?
希望が無くなったとはいえ、生きていくにはお金を稼がなければなりません。
悩みました。
求人情報をどれだけ見ても、やりたいものは見つからず。
会社員はやりたくない・・・となると、やはり自力で稼ぐしかない。
その方法を模索してみました。
新聞配達で知り合った、気の合う先輩の力もお借りして。
つづく
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