今朝方に見た夢がわりとストーリー仕立てになってたので記しておくとする。
(夢なので細部の設定はわからないです笑
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舞台は空中に浮かぶ都市。
円形のそこにはお城が端の方に存在しており、街並みは中世ヨーロッパという感じのイメージだ。
そこに私は普通の市民として彼女と暮らしていた。
その都市がなぜ浮かんでいるのかはよくわからなかったが、お城の兵士がボクたちの家に訪ねてきてその理由がわかった。
どうやら人間の命と引き換えに浮かんでいるらしい。
魔法的なものなのだろうか。
そしてその兵士たちは「次はおまえたちの番だぞ」というようなことを言って僕たちの手首を縄で結び、城まで連行した。
城につくとボクたちは王様に謁見することになった。片膝をついて頭を下げる。
その王様は正直、品性を欠いた表情・態度をしており、人を見下すような視線でボクたちを眺めた。
そして彼女を見るなり「おまえは助けてやってもよいぞ」と言った。
ボクは驚いた。と同時に嫌な予感もした。
続けて王様は言った。
「ただし私の奴隷になれば、だ」と言って彼女に顔を近づける。
彼女は涙を浮かべた表情で顔を引いたが王様はかまわず顔を寄せた。
ボクの怒りは頂点に達し、「それが王のすることか!」と怒鳴った。
王様はゆっくりこちらに視線を移す。ボクの隣にいる兵士の剣が、ボクの喉元に突きつけられる。
「なんだってぇ?」と王様は怒りを顕にしている。
ボクはすかさず立ち上がり兵士に体当たりした。
王様は驚き、兵士は転ぶ。
彼女の縄を持ってボクたちはその場から逃げた。
しかし場所は城の中であり空中都市。一体どこに逃げればいいのだ。
そう考えながらとにかく夢中で走った。
すれ違う兵士や宮女は何が起きたかわかっていないようで止めに入ってこない。
(よし、いける!)
城は何とか脱出することができた。しかしすぐに城から追手の兵士が出てくる。
遠目に見ても10人はいる。そして甲冑を着て剣を所持していた。
(これはたぶん死ぬな・・・)
そう直感した。
逃げながら持っていた短刀で手首の縄を切る。そして都市内を走り抜き、城とは反対側の端まできた。
もうこれ以上は逃げられない。すぐ背後はもう足場がない。地上へ落ちるのだろう。
彼女と私はもう限界にきていた。その場にへたり込む。
呼吸がお互い荒く、喋ることはできない。手だけを強く握る。
そして聞こえてくる鉄がぶつかり合う音。甲冑を着た人間の足音だろう。
ボクは必死に打開策を考えた。しかし思い浮かばない。くそっ!
焦りとイラ立ちから奥歯を強く噛み締める。
彼女はそんなボクを見て、穏やかな表情で首を振った。
(もういいよ、ってことか?)
甲冑を着た兵士たちが目の前に広がっていく。10人以上いる。
そして隊長らしき人物が言った。
「不届きものめが。もう逃げられんぞ!」
考えた。(ボクは短剣しか持っていない。しかも相手は甲冑。まず勝てない。彼女もどんな目に遭うかわからない。万事休す、か。)
兵士たちが剣をこちらに向ける。距離はすでに2〜3mしかない。
後ろにいる彼女はボクの服を引っ張った。目をやると、顎で足場のない後方を指していた。
一瞬だけ彼女の目を見ると澄んでいたように見えた。
ボクは彼女を抱きかかえて立ち上がり、一緒に足場のない後方へ倒れ込んだ。
落ち際に兵士たちの驚く様子が少しだけ見えた。
体の重力が失われていく。今は夕方くらいだろうか。空は茜色に染まっている。
落下しながら彼女の方を見る。
彼女は微笑んでいた。
ボク「これで合ってた?」
彼女「うん。」
ボク「ごめんね、守ってあげられなくて」
彼女「いや十分がんばったよ」
ボクは涙が出てきた。
ボク「ありがとう。たぶんこのままいくとボクたち死んじゃうけど・・・あっちの世界でまた一緒に、どう?」
彼女「うん。いいよ。」
ボク「ありがとう。」
ボクは彼女を思いっきり抱き寄せた。
彼女も力強く抱き返してくれる。
地上が近づいてくる。ちょっと死ぬのは怖いけど、それは彼女だって一緒だろう。
でもこれで良かったのだ。一緒に逝ける。喜びさえ感じる。彼女の勇気と判断に敬意を表する。
ボク「もうすぐだね。」
彼女「うん。」
そしてー、
ボクたちはまた一緒に暮らすことが出来た。今度は誰にも邪魔されない世界で。
おしまい!